📋 この記事でわかること
- ケアマネ受験資格の2つのルート(国家資格ルート・相談援助業務ルート)
- 対象となる国家資格21種の全一覧
- 「実務経験5年以上かつ従事日数900日以上」の詳細な定義と注意点
- 職種別の最短取得年数(介護福祉士5年・看護師5年・無資格8年など)
- 相談援助業務ルートの対象職種と注意点
- 2018年の大幅な受験資格変更の内容(経過措置廃止)
- 【最新】2027年度介護保険制度改正:実務経験5年→3年に短縮の動向
- 【最新】対象資格に診療放射線技師・臨床検査技師等5資格追加の動向
- 試験の概要・合格率・取得までの流れ
- 受験の際に必要な書類と申し込みスケジュール
「ケアマネ試験を受けるにはどんな資格が必要?」「実務経験5年って具体的にどう計算するの?」「介護福祉士を取ってから何年後に受けられる?」——この記事ではケアマネ受験資格について、2026年4月時点の最新情報と、2027年度改正で大きく変わる可能性がある注目の動向まで徹底的に解説します。
厚生労働省は2025年10月27日の社会保障審議会(介護保険部会)で、ケアマネジャーの資格取得要件の緩和を提案し大筋了承されました。
- 実務経験年数を現行の「5年」から「3年」に短縮
- 対象となる法定資格に診療放射線技師・臨床検査技師・臨床工学技士・救急救命士・公認心理師の5資格を追加
※2027年度の介護保険制度改正に向けて検討中(2026年4月時点)。詳細は今後の審議で決定されます。出典:介護ニュースJoint「ケアマネの資格取得要件、実務経験を5年→3年に 厚労省」(2025年)
ケアマネ受験資格の全体像
📌 ケアマネ受験資格の概要(2026年現在)
ケアマネジャーの試験(介護支援専門員実務研修受講試験)を受けるには、2つのルートのいずれかで受験資格を取得する必要があります。どちらのルートも「通算5年以上かつ従事日数900日以上」の実務経験が必要です。
受験資格ルート①:国家資格に基づく実務経験
特定の国家資格等に基づく業務経験(受験者の大多数がこのルート)
最もメジャー
条件:以下の国家資格のいずれかを保有し、その資格に基づく業務に通算5年以上かつ従事日数900日以上従事した方
対象となる国家資格21種(現行)
出典:厚生労働省「介護保険法施行規則 第103条の2第1号」・各都道府県試験実施要項をもとに編集部整理
2027年度改正で追加が検討されている5資格
「医療・介護の連携の要として、多様な背景を持つ人材の参入を促進する」ことが目的(厚生労働省)。施行時期は2027年度を予定。
受験資格として認められる業務の条件
国家資格を持っていても、すべての業務が実務経験としてカウントされるわけではありません。以下の条件を満たす業務に従事している必要があります。
- 要援護者に対する「直接的な対人援助業務」であること——事務職・管理職・営業職など直接ケアを行わない業務は実務経験にカウントされない
- 国家資格に基づく本来の業務に従事していること——例えば介護福祉士の資格を持っていても、主として「生活援助(掃除・洗濯・調理)のみ」に従事している場合は認められないケースがある
- 資格取得後(登録後)の業務のみカウントされる——介護福祉士の場合、資格を取得して登録する前の介護職員としての経験はカウントされない
受験資格ルート②:相談援助業務の実務経験
相談援助業務の実務経験(国家資格なしでも受験できるルート)
少数派
条件:下記の相談援助業務に通算5年以上かつ従事日数900日以上従事した方
対象となる主な相談援助業務の職種:
- 生活相談員(特別養護老人ホーム・通所介護等)
- 支援相談員(介護老人保健施設)
- 相談支援専門員(障害者総合支援法に基づく)
- 主任相談支援員(生活困窮者自立支援法に基づく)
「実務経験5年以上かつ従事日数900日以上」の詳しい定義
「従事期間(5年以上)」とは
従事期間とは、受験資格に基づく施設・職種での在職期間のことです。具体的には雇用契約書等に記載されている就職日から試験前日までの期間です。
- 産育休・育児休業期間も従事期間に含まれる(実際に働いていない期間でも在職中であればカウント)
- 病気休職期間も含まれる
- 複数の職場での経験は合算できる
- 雇用形態(正社員・パート・派遣・登録型)は問わない
「従事日数(900日以上)」とは
従事日数とは、実際に業務に従事した日数のことです。従事期間(在職期間)とは異なります。
- 休日・年次有給休暇・病気休暇・休職日・育児休業日は含まれない
- 1日の勤務時間は問わない(時短勤務でも「1日」としてカウント)
- 複数の職場での日数は合算できる
| 項目 | 従事期間(5年) | 従事日数(900日) |
|---|---|---|
| 定義 | 在職した期間(カレンダー上の年数) | 実際に働いた日数 |
| 産育休期間 | ✅ 含む | ❌ 含まない |
| 病気休暇 | ✅ 含む | ❌ 含まない |
| 有給休暇 | ✅ 含む | ❌ 含まない |
| 雇用形態 | 正社員・パート・派遣いずれも可 | 時短勤務でも1日カウント |
| 複数職場 | 合算可能 | 合算可能 |
実務経験の計算方法の具体例
| 状況 | 従事期間 | 従事日数 | 受験可否 |
|---|---|---|---|
| 介護福祉士登録後、フルタイムで5年6ヶ月勤務(年間240日) | 5年6ヶ月 ✅ | 約1,320日 ✅ | ✅ 可 |
| 介護福祉士登録後、週3日で6年勤務(年間156日) | 6年 ✅ | 約936日 ✅ | ✅ 可 |
| 介護福祉士登録後、週3日で5年勤務(年間156日) | 5年 ✅ | 約780日 ❌ | ❌ 不可(日数不足) |
| 介護福祉士登録後、2年勤務→育休2年→1年勤務(計5年在職) | 5年 ✅ | 約720日 ❌ | ❌ 不可(日数不足) |
| A施設で介護福祉士として3年(720日)+B施設で2年(480日) | 5年 ✅ | 1,200日 ✅ | ✅ 可(合算) |
職種別の最短取得年数
| 出発点(現在の状況) | 最短年数 | ルート |
|---|---|---|
| 介護福祉士(取得済み) | 5年 | 介護福祉士として実務5年(900日)→受験 |
| 看護師・准看護師 | 5年 | 看護師として実務5年(900日)→受験 |
| 社会福祉士 | 5年 | 社会福祉士として相談援助業務5年(900日)→受験 |
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | 5年 | 各資格に基づく業務5年(900日)→受験 |
| 医師・歯科医師・薬剤師 | 5年 | 各職種として医療業務5年(900日)→受験 |
| 初任者研修のみ取得(介護経験あり) | 約6〜8年 | 実務者研修取得→介護福祉士(3年)→実務5年 |
| 無資格・介護未経験 | 最短約8年 | 初任者研修→実務者研修→介護福祉士取得(約3〜4年)→実務5年 |
最短ルートの図解(無資格からの場合)
無資格・未経験からケアマネジャーになる最短ルート(約8年)
→
初任者研修取得(3ヶ月)
→
実務者研修取得
→
ケアマネ試験受験(登録後5年)
介護福祉士取得:約3〜4年
ケアマネ受験資格:さらに5年
合計:最短約8年。介護福祉士取得後の5年間はフルタイム勤務であれば900日要件も同時に満たせる。
2027年度改正後の最短年数(改正が実現した場合)
| 出発点 | 現行(5年) | 改正後見込み(3年) | 短縮効果 |
|---|---|---|---|
| 介護福祉士取得後 | 5年後 | 3年後 | 2年早く受験可能 |
| 無資格・未経験から | 最短約8年 | 最短約6年 | 2年短縮 |
| 看護師として就職後 | 5年後 | 3年後 | 2年早く受験可能 |
※改正の施行時期・詳細は2026年末の制度改正とりまとめ後に確定します。確定情報は厚生労働省・各都道府県の公式情報をご確認ください。
2018年の大幅な制度変更——知っておくべき歴史
2018年度(第21回試験)から、ケアマネ受験資格が大幅に変更されました。この変更により、受験者数が激減しました。
- 実務経験5年の社会福祉主事任用資格者
- 実務経験10年の介護職員(無資格・無国家資格)
- 保健医療系国家資格保有者は「保健医療サービス分野」の一部科目が免除
- 社会福祉主事任用資格だけでの受験資格が廃止
- 無資格・無国家資格の介護職員10年経験での受験が廃止
- 科目免除も廃止(全受験者が全60問を受験)
- 国家資格または相談援助業務5年・900日のみが受験資格に
この変更により受験者数が2017年の約13万人から2018年は約4.9万人へと激減。合格者も約28,000人→約4,990人に激減した。
この制度変更の目的は「ケアマネジャーの専門職としての質の向上」です。受験資格が厳格化された結果、合格者数が大幅に減少し、現在ではケアマネジャーの人材不足が深刻な課題となっています。これが2027年度の受験資格緩和(実務5年→3年)を検討する背景になっています。
試験の概要
出典:東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」・三幸福祉カレッジ「2024年度(第27回)ケアマネジャー試験合格率」
受験から資格取得までの流れ
「見込み受験」について
申し込み時点では実務経験の条件(5年・900日)を満たしていなくても、試験前日までに条件を満たす見込みがある場合は「見込み受験」ができます。
- 申し込み時に「実務経験見込証明書」を提出
- 試験当日(または試験前日)までに条件を満たしていれば有効
- 万が一、試験前日時点で条件を満たしていないことが判明した場合は受験が無効になる
実際にケアマネを目指した人の体験談
実務経験の確認で驚いたこと:「介護福祉士を取る前の5年間は、ケアマネの実務経験にカウントされないと知った時は驚きました。介護福祉士として登録した日が『スタート日』なんですね。担当ケアマネに教えてもらって早めに確認できて良かったです」
受験申し込みの注意点:「実務経験証明書を2ヶ所の施設分まとめて発行してもらう必要があって、準備に2週間かかりました。6月の申し込み期限ギリギリになってしまったので、早めに準備を始めることをおすすめします」
試験の対策:「合格率が低いと聞いていたので受験対策講座に通いました。過去問を繰り返し解いて、介護保険制度の数字(支給限度額・要介護認定の有効期間など)を確実に覚えることが合格のポイントだと思います」
看護師からケアマネへ:「看護師は資格取得後5年でそのまま受験資格が得られるのが良かった。介護福祉士のような『資格を取ってからまた5年』という二段階が不要なので、看護師からのルートは効率的だと思います」
2015年以降は全科目受験に:「以前は看護師は一部科目免除があったらしいのですが、今は全員が全60問を受験します。保健医療サービス分野は医療知識があるので得意でしたが、介護支援分野の介護保険制度の細かい数字は暗記が必要で苦労しました」
転職後の感想:「医療と介護の橋渡し役として、看護師の知識がケアマネの仕事で本当に活きています。利用者さんの身体状況を理解したうえでケアプランを作れるのは、医療職出身のケアマネの強みだと思います」
従事日数の落とし穴:「週3日のパートで5年経過したので受験できると思っていたら、従事日数を計算したら780日しかなくてギリギリ不足していました。5年在職しても900日に届かないこともあるんですね」
対処法:「追加で半年ほど勤務して900日を超えたタイミングで受験しました。パートでケアマネを目指す場合は、在職年数だけでなく実際の従事日数を早めに計算しておくことが大切です」
2027年度改正への期待:「実務経験が3年に短縮されると、私と同じようにパートで時間がかかる人にも追い風になりますよね。早く施行されることを期待しています」
よくある質問(FAQ)
Q. 介護福祉士を取得する前の介護職員経験はケアマネ受験資格にカウントされますか?
Q. 産育休・育児休業期間は実務経験にカウントされますか?
Q. 複数の職場での経験は合算できますか?
Q. 週3日のパート勤務でも受験資格を満たせますか?
Q. 社会福祉主事任用資格でケアマネ試験を受けられますか?
Q. 実務経験の見込みがある場合、申し込みはできますか?
Q. 2027年度改正で実務経験が3年に短縮されるのはいつから?
Q. ケアマネ試験に科目免除はありますか?
まとめ
- 受験資格は2ルート——①特定国家資格に基づく実務5年・900日、②相談援助業務の実務5年・900日
- 対象国家資格は21種——介護福祉士・看護師・社会福祉士・理学療法士・作業療法士など
- 介護福祉士取得後の5年がスタート——取得前の介護経験はカウントされない
- 従事日数900日の計算に注意——パート・育休あり・複数施設などは早めに計算を確認する
- 無資格からの最短は約8年——初任者研修→実務者研修→介護福祉士(3〜4年)→実務5年
- 2018年の制度変更で受験者数が激減——無資格介護職・社会福祉主事のみでの受験ルートが廃止
- 2027年度改正で実務5年→3年に短縮の可能性——審議会で大筋了承。確定情報は公式情報を確認
- 試験合格後も実務研修(約87時間)が必要——合格後すぐにケアマネとして働けるわけではない
※本記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。受験資格の条件・制度改正の詳細は都道府県によって異なる場合があります。最新の受験要項は受験地の都道府県・公益財団法人東京都福祉保健財団等の公式サイトでご確認ください。2027年度改正に関する情報は介護ニュースJoint・厚生労働省審議会資料を参照しています。体験談は実際の事例を参考に再構成したものです。
